ついに、この日がやってきました。
2015年10月4日、
「サザエ口開け」
冬磯スタート。
つまり、
海女デビューです!!
当日は朝５時起き。
緊張のあまり、
朝から気持ちが悪いし
お腹が痛いし・・・
朝７時半くらいに出るだろうと読んでいたのですが、
まさかの６時半に海女さんたち出立
大慌てで荷物の準備をしたので、
海女小屋に着いてから「フード」や「休憩用のお茶」を持ってくるのを忘れた事に気づき、
先輩海女さん達に道具を貸してもらったり、お茶を貰うという
憂鬱なスタートとなりました。
私がお世話になる「海女小屋」は
ベテラン海女さん３人と
海女見習いの若い人が私も入れて３人
計６人です。
海女見習いと言っても、
私以外の２人はダイビング経験者で
かなりの上級者なので
不安でオロオロする私とは裏腹に
海に入れることが本当に嬉しそうでした。
いいなぁ、私も早く海が楽しいと思えるようになりたいです・・・
私なんて、心臓バクバクだし、手汗すごいし、緊張して胃や心臓が口から出そうでした
結局、今日までにプール練習がたったの２回、
マスククリアもマスターできていない状態での
いきなりぶっつけ本番です
初心者は私だけなので
最初の２、３日は
いつも忙しい夫が諸々のお仕事を延期して
私に付き添ってくれることになりました。
本当に本当にありがとう（そして迷惑かけてごめんなさい）
ターコバアたちベテランチームと２人の海女見習いさん達は
サザエの居そうな遠くの岩場を目指して泳いでいき、
私と夫は彼らとは別で比較的波の少ない近場の岩場を目指して泳いでいきました。
タンポをビート板代わりにして、
えっちらおっちら泳いでは
顔を上げて自分の位置を確かめます。
まっすぐ泳いでいたつもりが、たまに顔を上げるとちんぷんかんぷんな方向へ進んでいたりして驚きます。
夫が後ろからゆっくり追いかけている私を呼び寄せて
「この下にクロウニがいるから、獲ってみてごらん」と言うのですが、
私には何も見えません
仕方なく夫が潜って、ウニがいる場所を指で指してくれて
ようやくウニの存在に気付けました。
その後も夫がウニやサザエを拾ってくるのですが、
私がどんなに目を凝らしても、潜って岩の近くをうろついてみても
サザエもウニも見つける事が出来ませんでした
かろうじて派手なオレンジ色のヒトデに気づく程度です。
しかし、４０分もすると今度はなんだか身体がだるく
気持ち悪くなってきました。
「波酔い」をしてしまい、
耐えきれず海でリバースしてしまいました・・・
もうそこからは
タンポにつかまって休んでいるだけでも気持ち悪くて
夫の「（陸に）上がろうか？」という言葉が
プロポーズの言葉かと思えるくらい、泣けるほど嬉しかったです。
しかし、そこからの帰りは本当にしんどかったです。
波酔いで気持ち悪いし、
足にも腕にも力が入らず、
泳いでも泳いでもなかなか岸にたどり着きません・・・
もう目も虚ろで、表情もありません。
泳ぎながらずっと
「気持ち悪い」
「なんで海女なんかなろうと思ったんだろう」
「陸地よ！お願いだからそっちが私を迎えに来てちょーだい！！」
と考えていました。
（３つ目のはなんだかちょっと頭がおかしくなっています）
岸にようやくたどり着き、
フィンやウェイトを外して
死んだように倒れこんでいると
ハエがたかってきました。
「こいつら、私を打ち上がった水死体だと思ってるのか・・・？」
身動きも取れず、
ハエにたかられているなんて。
腹が立ちましたが、追っ払う気にもなれません
そのくらい、へとへとでした。
結局、獲れたのはクロウニ１個だけ。
甘いかもしれませんが、
まぁ、悪くてもサザエ２、３個くらいは拾ってこられるだろうと思っていたので
まさかの結果にめちゃくちゃ落ち込みました。
スカリにいっぱいのサザエを入れて上がってきた
先輩海女さんや海女見習いさん達を見て
レベルが違うと分かっていても、やっぱり落ち込みます
みんな優しいので、
「焦らなくてもいい」
と言ってくれます。
でも、やっぱり「あそこのポイントにサザエがたくさんいたねー」とか
「次はあっちへ行ってみよう」とか
みんなが話しているのに交ざれないのは
ちょっと寂しかったです。
まだ始まったばかりですが
もっともっと練習して
早くみんなと一緒に動けるようになりたいです。
獲物が獲れる、獲れないよりも
まずは「波酔い」攻略と
「泳ぐ」「潜る」という基本が出来るようになりたいと思います
海女デビュー
