こんにちは、リッチャンです。
海女小屋で火に当たっていると、
「あたたさぶい」
と言うナゾのワードが登場します(笑)
「温かい、けど寒い」
という
一見、矛盾したように思われる
この言葉。
でも海女さんなら分かる
不思議な言葉なんです

冷たい海で1時間以上
漁をするので、
体は芯から冷え切っています

しかもそれを1日2回

海から上がると
唇も手も震えて
しゃべるのも歩くのも
物をつかむのも
すごく難しいんです。
そんな時には
海女小屋の火が
本当にありがたくって



手足の感覚が
徐々に戻ってくるのを
感じながら
「あぁ~やっと人間になった!」
(=血が通ってきた)
とホッとします

しかし、寒いからか
ガンガンに火を燃やすので、
火柱が物凄く高くなり
ちょっと危険



体の感覚が戻ると同時に、
近寄りすぎた炎のせいで
皮膚が焦げそうになります





そんな時の、
「あたたさぶい」です!
体の中は
まだまだ冷え切っていて
寒いけれど、
火に当たっていた部分だけ
燃えるように熱い

そんな状態を表すのが
この言葉なんです

あたたさぶい、と言う一言に
海女漁の過酷さと
海女小屋の中の温かさと
石鏡の人達の言葉巧みさ
を感じます

今年はやけに水温が低い
12月の石鏡の海

寒さに負けず、
冷たい海で頑張る海女さん達の
震える手足と
それを振り払うように張り上げる
大きくて力強い声。
そんな石鏡の冬磯も
もうすぐ終わりです。
残りあと少し、
気合い入れて、頑張ります
