こんにちは、リッチャンです。
石鏡へ住むようになって
まず初めに驚いたのは
地元の人が足しげく
お墓に通うということでした。
私自身は
愛知県の出身ですが
両親は北海道と佐賀県の出身です。
そのため
先祖代々のお墓や
お寺に参る習慣というものが
残念ながら我が家にはありませんでした。
石鏡の人たちは
故人の命日や
お盆の時など以外でも
月命日(毎月の故人の亡くなった日)や
少しでも時間のある日などに
お墓参りをされています。
だからでしょうか、
石鏡のお墓は
どれもピカピカに磨かれていて
いつもお花やお供え物が置いてあり
とてもキレイです。
『お墓』というと
ちょっと暗い雰囲気だったり
肝試しに使われたり、と
ネガティブなイメージを持っていた私ですが
石鏡のお墓と
それを大切にされている
地元の人々を知るようになってから
良い意味でショックだったといいますか
がらりとイメージを覆されました。
特に石鏡の墓所は
海が目の前にある
小高い丘の上にあります。
ものすごい絶景ポジションです!
ご先祖さま達や
亡くなったご家族は
こんな素敵な場所に眠ってらっしゃるなんて
本当に!羨ましい限りです!
だからでしょうか
漁師さんや海女さんたちが
亡くなったご主人や奥様の話をされる時も
港からふと
お墓のある丘の上に目をやりながら
「おらげの母さん(=うちの奥さん)はいかつい(強い)女やった」
「今ごろ父さん(=夫)が墓で笑ぅとるわ」
と話される時、
とても穏やかで
優しい顔をされているんですよね。
すぐ近くに故人を感じてらっしゃるのが
そんな何気ない仕草から感じられて
胸がキュッと締め付けられるような
切なくて甘い、気持ちになります。
私と年頃もそんなに変わらない方が
毎月先祖のお墓掃除にいらっしゃるのを
港から眺めて知っています。
こういう、誰も見ていないけれど
家族やご先祖を大切に想う気持ちって
本当に美しいなと思います。
私は石鏡の人たちの
こんな何気ない日常や習慣が
たまらなく清らかで美しいなと
いつも思います。
漁師さんや海女さんが
大漁をした時などにふと
「今日は、おばあさんの月命日だわ。おばあさんが授けてくれたのね、きっと」
などとおっしゃる時があります。
自分の実力、じゃないんですよね。
いつだって
「家族(先祖)のおかげ」
「海の神様のおかげ」
と、自分以外に感謝する。
そしてますます、
お墓はキレイに磨かれていく(笑)
これって素敵なことだと思います。
私たち夫婦のお墓も
いつかあの小高い丘の上に
出来るのでしょうか。
もしそうなら、
死ぬのもそんなに悪くないな、
なんて思ったり(笑)