海女日記 < 新米海女リッチャン >

都会のOLが海女に転身?!海女修行&漁師町ライフをご紹介します!

”ウシノシテ”

 

 

こんにちは、リッチャンです。

 

 

 

春ですね~桜

 

海藻の季節です(←海女目線爆  笑)。

 

 

 

そして春、

 

一番に採りに行く海藻

 

ウシノシテ 

(標準和名:イロロ)

 

 

 

 

 

今年ももちろん

 

お師匠と採ってまいりました♪

 

 

 

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石鏡に来てもう2年半、

 

最初は「美味しいか、これ?汗

 

思っていたウシノシテも

 

食べ慣れてくると

 

この素朴な味が癖になるように照れラブラブ

 

自分なりに味を改良して

 

サチバアからも褒めてもらえるような

 

ウシノシテが炊けるように

 

なりました。

 

 

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とても貴重な海藻なので

 

うちへ遊びに来てくれた方には

 

是非にと、試食をしてもらいます。

 

 

 

 

そんな先日の話。

 

いつものようにウシノシテをふるまうと

 

なんとすでに傷んでしまっていましたドクロ

 

痺れるような酸味が! 

 

これはいけないゲッソリとすぐに廃棄し、

 

誤って一口食べさせてしまった

 

お客様には

 

もう平身低頭、謝りましたアセアセ

 

 

 

 

これでウシノシテを

 

誤解されては申し訳ないと

 

翌朝は早起きをして、

 

新たに秘蔵の乾燥ウシノシテを

 

出してきて

 

改めて炊き直したものを瓶に詰めて

 

昨日のお客様のもとへひとっ走り車DASH!

 

「これが本当のウシノシテです」

 

と、持っていきました。

 

 

 

 

しかし残念ながら、

 

その方は「味が薄い」と

 

お気に召さなかったようで ショボーンハートブレイク

 

味付けをもっと濃くしたらどうかと

 

アドバイスを頂きました。

 

薄味すぎて保存も効きにくいため

 

商品として流通させるのは

 

たぶん無理だろうと。

 

万人受けしないのは予想していたので

 

残念でしたが、辛口コメントを頂き

 

よい勉強になりました。

 

 

 

 

でも、この素朴なおいしさと

 

ウシノシテ独特のまろやかなとろみ。

 

保存が効かないので

 

作ったらすぐに食べなければ

 

いけない事。

 

ウシノシテ自体が

 

石鏡では異常なほど大人気なので

 

なかなか手に入らないという

 

希少価値がある点。

 

そして何より、

 

【他にはない郷土料理】

 

としての存在価値は

 

大切にしたいなと思いました。

 

 

 

 

 

海女をしていても思うのですが

 

【変えるもの】

 

【改善するもの】

 

 

【変えないもの】

 

【守り続けたいもの】

 

があるな、と。

 

 

 

 

閉鎖的、コンサバティブと言われても

 

そこに生きる人たちが

 

何世代にも渡って

 

大切にしてきた価値観は

 

移住者の自分たちも

 

大切にしたいなと思うのです。

 

「こうすれば流行るのに」

 

「こうすれば楽なのに」

 

「こうすれば売れるのに」

 

は、

 

まずは地域の、地元の価値観を

 

知ってからでも

 

遅くはないのかな、

 

と考えます。

 

 

 

 

始めは美味しくないと思っていた

 

ウシノシテだって

 

今では好んで採集に行き

 

鍋の前で 「ん、よし!」 と

 

石鏡の味付けになるのを待って

 

いそいそとサチバアの所に

 

味のチェックをしてもらいに行く私。

 

 

 

 

昨日お会いした雑誌編集者の方に

 

「石鏡の方になりましたね」

 

と言われましたが

 

そうなんですよね、私

 

石鏡の人になりたいんです照れ

 

全然まだまだ、ですが(笑)

 

 

 

 

ここの人たちと同じように暮らして

 

ここの人たちの文化や生活を

 

ちゃんと理解して、血肉にして、

 

大切に受け継いでいきたいんです。

 

例えそれがただの真似事でも。

 

 

 

 

 

自分でも嫌になるほどの

 

リアリストなので

 

無駄なことが心底嫌いで

 

効率的に、とかメリットはあるか、とか

 

まず真っ先に考えちゃうのですが

 

そこは今は考えないようにして

 

とりあえず、石鏡の人のやることを

 

そのまんま覚えて、

 

そのうちに

 

(あぁ、こういう意味があったのか。じゃあ無理に辞めてはダメだな)

 

とか

 

(このやり方はもう少し改善できるけど、今のやり方の方がコストがかからないから現状に合ってるな)

 

とか、

 

身体で覚えてから頭で考える

 

ように意識しています。

 

 

 

たまに出来ていませんが(笑)

 

 

 

 

「移住者目線」の「上から目線」で

 

地元を荒らしたくないなと思います。

 

自分への戒めの意味も込めて、ね。

 

書いておきます。

 

 

 

 

たぶん自分は地域おこしとか

 

向いてないんだろうなぁ~(笑)

 

改革意識の薄さにびっくりです。

 

 

 

 

石鏡は石鏡のままで良い、

 

あとは見せ方(魅せ方)、出し方を

 

私たちが変えるだけ♪

 

 

 

 

ウシノシテはあのままの味を大切に。

 

そして別の見せ方も模索して。

 

 

 

 

その前にまずは

 

傷んだ食品をお客様に出さないように

 

もうちょっと勉強しますちゅー