海女日記 < 新米海女リッチャン >

都会のOLが海女に転身?!海女修行&漁師町ライフをご紹介します!

海女になってよかった事③

 

こんにちは、リッチャンです。

 

海女になって良かったな~と思う時。

と言うよりも、

石鏡へ来てよかったな~と思うのは

人の温かさに触れた時です。

 

 

 

ワタクシ、こんなんですが

一応、3人兄弟の長子です。

年の近い弟が2人おりまして

性格もバラバラですが

子供の頃は結構仲良しでした。

 

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勉強がわりと出来る方だった私は

自分で言うのも変ですが

結構、お利口さんでして、

親の手も煩わせず

先生からも気に入られる子供でした。

作文や絵が得意だったので

よく色々な種類の賞状を貰いました。 

 

大人から褒められる機会の

多かった私と比べて

目に見える成果というのが

あまりなかった弟たち。

 

不公平があってはいけないからと

両親は出来るだけ

弟たちの努力を認めようとしてか

弟たちの賞状を額に入れて

家のリビングに飾っていました。

 

私はたくさんの賞状を持っていましたが

すべてファイリングされて

人目につくことはありません。

 

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私はそれがずっと嫌で嫌で

 

「どうして私の賞状は飾ってもらえないんだろう。努力が足りないのかしら。どうしたらお母さんたちに褒めてもらえるのかな」

 

とそればかり考えていました。

 

大人になり会社に勤め、

「ありがとう」

「助かったよ」

「仕事が早いね」

なんて言葉を貰えるようになりましたが

どこか物足りないような

そんな気がずっとしていました。

 

自己肯定感が低いのかと

ポジティブ思考を勉強してみたり

自分で自分を褒めちぎってみたり、

色々試しましたが上手くいきません。

 

ところが

石鏡へ移住し、海女をするようになると

「海女するなんて偉いなぁ!感心するわ」

「もう一人前の石鏡の住民になったなぁ」

「大漁やないか!すごいやないかッ!」

とベッタベタに褒めちぎられて

「いや、そんな。まだみんなには程遠いし、アイちゃんと比べたら私なんて全然・・・」

と言おうものなら

「何言うとんのや!まだあんたなんてワタシらと比べたら赤ちゃんみたいなもんやで!それなのにアワビを獲れるなんて、すごい事や!」

と畳みかけるように

さらにさらに!褒められます。

 

例え海女をサボっても

「無理したらあかんで、行ける時に行けばいいからな?」

漁に行ったのに何も獲れず帰ってきても

「そういう日もある。ふさいものやからな。次頑張りなさい!大丈夫!」

と言われます。

 

大きなアワビを獲って

大喜びで海女小屋に戻ってきた時など、

先輩海女さん(80歳)に

「良く出来ました!ええ子やな~!!」

と、くっしゃくしゃになるまで

思いっきり頭を撫でられました。

 

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すごくびっくりしました。

 

 

頭を撫でられるなんて

いつぶりだろう・・・?

 

子供の頃でも

撫でてもらったこと、あったかな。

 

 

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ワタシね、

ここへ来て初めて

めちゃめちゃ甘やかされています。

 

ここでは

「しっかり者のお姉ちゃん」

じゃなくていいんです。

 

そしてそれが

ものすごーく!嬉しいんですッ!

 

 

(あぁ・・・ そうか、

私は思いっきり甘えてみたかったんだ。

誰かにベタベタに

甘やかされたかったんだ)

 

と、生まれて初めて気付きました。

 

誰かに認められたくて

褒められたくて

一生懸命生きてきたのに、

石鏡へ来たら

ほんの少し頑張っただけで

めちゃめちゃ喜んでもらえます。

 

だから出来ない無理をしたり

褒められてる誰かを羨んだり

自分の事を卑下してみたり、

そんな事をしなくてもよくなりました。

 

まだ「癖」のようなものは

抜け切りませんが、

それでも以前と比べ

『生きやすくなった』

と感じています。

 

 

そう思えるようになったのは

ここに住む人たちのおかげです。

 

石鏡へ来たのは

自分の人生に足りなかった「何か」を

補うためだったんだなと、

最近つくづく思います。

 

大人になって

弟たちとも昔話をするようになり

彼らもまたそれぞれに

劣等感を抱いたりしていたと聞き、

本当に子育てって難しいんだなぁと

つくづく思いました。

 

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とは言え、

近くに頼れる親や親戚もいない中

手探り状態で子育てをしてくれた

両親の苦悩を考えると

感謝の気持ちと同じくらい

かわいそうな気持ちになります。

 

みんな必死だったんだなって。

 

いつかそんな話を

自分の子供と出来たらいいなぁと

夢見ています。