こんにちは、ウソドのリッチャンです。
先日、2ヶ月ぶりの海女漁に行ってきました。
2ヶ月って皆さん、想像できますか?もう、完全に素人に戻ってしまうんですよ!
「海女は続けて行かにゃならん」
といつも先輩たちから口酸っぱく言われますが、期間を空けてしまうと、身体が海に馴染むのに時間がかかるのはもちろん、勘が鈍って貝のいる場所がピンと来ない。
磯場と呼ばれる海底地図も、何となく一致しない。
(あれ、確かこの辺りに良い感じの岩があったはずだけど・・・)と、海中をウロウロして無駄に時間をロスしてしまいます。これは本当に落ち込みますね。「あぁ、またゼロから覚えなおしか~・・・」って。自業自得です。
先日海女友達とBBQをしていた際、仲間の一人が「アワビの気持ちになれば獲れる」という話をしていたのですが、もう最近のワタシはアワビの気持ちが全然分からない。
モテる男も海女も、「マメさ」が大事という事ですかね・・・
さて、そんな久しぶりの漁はもう、お約束通りの【不漁】でした!
波酔いでグロッキーだし、頭は痛いし、アワビは全然見つけられないし。
さーいーあーくーー(笑)
1本目の漁を終えて、
「どうなー?(どうだったー?)アワビ獲ったかぁー?」
と仲間に聞かれ、開口一番
「いかん!ダメだ!!」
と叫びました(笑)
そんな私をよそに、ニコニコと海から上がってくるアッサン。
「アッサン、えらいニコニコ顔やないの。大漁?」と聞くと、
「うんッ!大分あるわー!!」と、満面の笑顔。
チクショウ、羨ましいなぁと思いながら、「おっ☆」とピンときた私。
「ちょっと、アッサン、手ぇ貸してよ」と先輩海女に向かって両手を突き出します。
「???」
不思議そうな顔をしながらも、言われた通りに素直に右手を差し出してくれるアッサン。
その手をギュッギュッと両手で握りしめながら、
「大漁の運よ〜!リッチャンの手に乗り移れ〜〜!」と念をかけました。
これにはアッサン、大笑い。
「よっしゃ、これであんたも2本目、(アワビを)授かるなぁ!」とケタケタ笑って海女小屋へ戻って行きました。
そうして迎えた2本目の海女漁。
結果はアワビ1つ。グロッキーアゲインで、顔面蒼白 & 頭痛で辛くて涙ポロポロ。
しかし、とても大きな良い黒アワビをゲット出来ました!!
1つの大きなアワビは普通サイズのアワビをいくつも獲るより、満足感があります!
(過去のブログ:『アワビ、その後』)
「アッサン、見てこれ。アッサンの【海女運】分けてもらったお陰だわ。どうもありがとう!」
「あいなっ!良かったなー!ほんまに、私のお陰やなぁ〜(笑)」と、海女小屋でひとしきり笑いあいました。
海女の楽しみ
海女の醍醐味はやっぱり、アワビ獲りですね。
うちの主人(漁師で学者)なんかは「海女は別にアワビにそこまでこだわらなくてもいいのに」と言いますが、これはもう収入源どうこうとか海女のイメージと言うより、気持ちの問題なのではないかと思います。
サザエやナマコに比べて、見つけるのも獲るのも難しいアワビ。
獲れた時の「よっしゃー!」という気持ちは他とは比べ物になりません!!
お金で言ったら、正直サザエの方が稼げます。アワビに比べて単価は安いですが、なんてったって数が獲れる。体はきついですがネ。
先日、知人の相差町(おうさつちょう)の男アマさんに貸して頂いた本にも似たようなエピソードがありましたが、アワビを安定的に獲れるようになったら海女さんとしては一人前な感じがします。ちょっと他の獲物や海藻とはレベルが違うんですよね。
『海女小屋日記―房総半島・花と海の町から 田仲のよ(著)』
そんなこともあって、今回の大きなアワビゲットはそれだけでもう、ハッピーハッピー☆しかも仲間の海女さんから運のお裾分けを頂いていたこともあって、喜びをシェア出来てさらにハッピー☆☆☆
勤めに出ていて海女に行けなかった2ヶ月間。
仕事をしていても誰かと喜びを共有したり、励まし合ったり、「今日ダメでも次頑張るぞ!」という張り合いみたいなものがなくて、やっぱりどうしても力が出ない感じがありました。
海女って本当にチームワーク、この温かさがたまらなくイイナァとつくづく思った1日でした。