海女日記 < 新米海女リッチャン >

都会のOLが海女に転身?漁師町ライフブログ

漁師や海女がいなくなると

こんにちは、新米海女のリッチャンです。

 

最近知人に「ウソド(=なんちゃって海女)」を自称していることに対して釘を刺されました。そんなこと言うもんじゃない、と。

 

どうやら、その方の知り合いの海女さんから、「あれってどうなの?」と一言あったらしい。

自分の思う『海女』、その理想との乖離をあえて皮肉ってみましたが、中には面白く思わない方もいるようなので表現には気をつけないと、ですね。

 

さて、まだ海女がオフシーズンでネタがないので(笑)、今日は

 

【もし漁村から漁師や海女がいなくなったらどうなるのか?】

 

と言うテーマでブログを書いてみます。

 

ほぼほぼ妄想ですが、いくつか大事なポイントを含みますので参考にしてみてください。

 

では、イメージしやすいようにとある漁村で起こる物語をお話しします。

 

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時は2040年。

 

最盛期には住民の7割が漁業やそれに関わる仕事に従事していた、A町。

 

高校、大学、大学院、海外留学・・・と高等教育を受けた若者たちは県外、国外へ移住し、町には年寄りしか居なくなった。

かく言う私の息子は現在レバノンで現地人の妻と4人の子供たちと暮らしている。

 

漁業の担い手は年を追う毎に少なくなり、地元の漁協は10年前に近隣の3町村で合併。2年前には遂に解体となった。

 

もうこの町に、漁師や海女はいない。

 

最近では見知らぬ船が夜間に沖に浮かんで何か作業をしているのを何人かの地元住民が見たらしく「あれは絶対に密漁者だ」と言うが、それを通報する者もいない。

 

相手はヤクザだ。素人じゃない。

下手に手を出して通報者が誰か分かれば、きっとタダじゃ済まないだろう。

みんなそう思い黙っている。

 

中には「あれは外国の船だった。きっとハングルだ」と言う者もあった。

暗闇の中、写真もなく確証もない。

ただ最近、日本人ではないなと思う人が浜を歩いているのをよく見かける。

観光客ではなさそうだ。そもそもこんな田舎の漁村にくる観光客なんてそう居ない。

数人でやってきて、浜を何度も行き来しながら、双眼鏡を使ったり、地図や何かの機械を見ながら海を眺めて熱心に議論している。

 

(・・・下見だな)

そう思ってジッと見ていると、気まずそうにそそくさと居なくなる。

 

日帰りのサーファーやダイバーも増えたように思う。

昔はそれこそ若い漁師や海女たちがアワビやサザエを遊びで獲っていないかと目を光らせていたが、今は誰も見ていないので彼らも獲り放題だ。

 

浜辺でバーベキューをしたらしい焦げた石の跡を見つけたが、側にピンポン球くらいのサイズの小さなアワビ の貝殻がたくさん落ちていた。

彼らは『漁業調整規則』など知らない。だから見つけた分だけごっそりと獲ってしまう。

海女がいた頃は仲間内でけん制しあったり、なぜ小さなアワビは獲ってはいけないのかを先輩が後輩に教え、海と漁場を守る厳しいルールを設け守っていたが、今はもうそれもない。

 

海は本当の無法地帯となってしまった。

 

水温が高くなり、昔見た海藻や魚、貝が減った。水温だけが理由では無いだろうが。

 

中には全く姿を消したものもある。

磯焼けだ、なんて言っていた頃が懐かしい。あの頃は急にこんなに何も居なくなるなんて想像もつかなかった。

朝起きて、窓から眺める海は相変わらず美しい。

でも、海の中はあの頃とはまるで違う。寂しいものだ。ただ表面的な美しさだけが残された、巨大な塩水の水たまりになってしまった。

 

空き家が増え、今にも倒壊しそうな家々が増えた。うちの隣の家など、台風のたびに瓦が飛んでくるのでいつもヒヤヒヤしている。亡くなった隣の家の婆さんの息子になんとかして欲しいと伝えたが、仕事が忙しくて見に来れないという。

婆さんは昔、凄腕漁師の旦那さんと刺し網漁師をしていた人でよく魚をくれたのを覚えている。

 

仕方が無いのでボランティアで屋根の応急処置をしておいたが、私も来年で還暦。高い所へ登るような危なっかしい仕事はしたく無いのが本音だ。

 

息子さんによれば空き家を売りに出しているそうだが、買い手はいないらしい。

 

家自体ずいぶんと長いこと手入れをしていないので床も壁もあちこちがボロボロだし、給湯器も壊れているし、なかなかすぐに住めるような状態ではない。

 

リノベーションをするにも、更地にして土地だけ売るにもかなりのお金がかかる。

 

近くにスーパーもコンビニもなく、保育所も小学校も無いものだから子育てをする若者世代は来ないし、病院も近くにないのでリタイア世代が第二の人生の新天地にこの地を選ぶこともない。

 

そもそもここには取り立てて人を惹きつける観光名所も、仕事になるような産業ももう無い。せっかく来ても、やる事が無いのだ。

 

実は私自身、レバノンの息子夫婦からこっちへ来ないかと誘われている。

「A町で親父が一人で暮らしているのは心配だ。何かあったときの為に近くに来て欲しい」と言う。

 

生まれ育った故郷。

先祖代々の家もお墓もある。離れるのは辛い。3年前に亡くした妻や、子供たちと過ごした思い出も沢山ある。

でもこの町で生きていくのは、正直楽では無い。

私に何かあっても周りは自分より歳のいった老人ばかり。

死んでも私の墓を世話してくれる子供たちももうこの地に居ない。

子供の頃から釣りが好きで大好きだったこの海も、もうなんだか赤の他人のようだ。

 

残りの人生をこのA町で過ごすべきか・・・答えはまだ出せずにいる。

 

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とある漁村のおじさんのお話。

完全なフィクションです!

 

 

20年後、まだこの海で潜っていられるか?漁が出来るのか?

それは誰にも分かりません。

 

潜っていたい、潜っていられるように、やれる事は全てやりたいと思います。

ガッツリ海女は向いてないので、人の半分くらいの出漁日で(オイ!)細く長く、続けて行きたいです。

 

まぁ、私はアホなのでね、基本が。

賢い事は出来ないのですが、賢い人の力を借りて、がむしゃらにやるしか無いと思います。

 

でも、ね、この国に漁師や海女はいた方がいいですよ。全体的に見るとね?

 

だからみんな協力した方がいいと思いますよ?(えっ?)たぶん。

その方がみんながハッピーになれると思います(急にザックリ)。

 

だから、よろしくお願いします!

 

リッチャン