前回の記事はこちら。
大規模なリノベーションが必要と分かった海女小屋。
夫と話をして、修繕には材料費だけで最低でも5万円はかかるという事が分かりました。
毎日毎日、夫をあの手この手で説得しますが、最後は
「俺はやりたくない。どうしてもと言うなら、大工を頼めよ。」
と言われてしまいました。
私は理由があって(これについては今度別のブログを書こうと思います)、どうしてもこの海女小屋が欲しかった・・・
夫が協力してくれないと分かった時は烈火のごとく大激怒!
海女小屋が手に入るものと思って色々と準備をしていたり、色んな方に頭を下げに行ったりしていました。
どうして分かってくれないの!?と、悔しくてたまりませんでした。
しかし一晩かけて頭を冷やし冷静になってみると、まず夫に辞めろと言われて辞めるくらいの夢ならば辞めた方がいいと思いました。
そしてそもそも海女小屋を使いたいのは自分、夫は関係ありません。
ここ最近はとても忙しくて全然余裕のなかった夫を頼りにするなんて、本当、虫が良すぎます。
けれどもやっぱり小屋の修繕なんてどうしたらいいのか分かりません。
夫以外にこんなことを頼める人なんていないし。
かと言って大工を雇うお金もない。見積りから施工の日程を調整したりしていたら、一体いつ完成するか分かりません。
でもどうしてもやりたい。今年、なんとしても自分専用の海女小屋が欲しい!
悩んだ結果、私は自分で海女小屋を修繕しようと決めました。
「私、自分で海女小屋直すから。」
意を決して夫にそう言うと、
「お前には絶対に無理だよ」と言われました。
正直、自分もそう思いました。たぶん誰に言ってもそう言うと思います。
でも自分でやるしか方法はありません。
あの海女小屋を諦めるという選択肢は私の中にありませんでした。
下調べ
夫に無理と言われた私がまずしたのは、動画サイトYoutubeで「トタン屋根 DIY」とキーワードを打って動画を検索する事でした。
本当に便利な世の中になった物で、世界中の人たちが小屋の作り方、単管パイプの組み方、トタン屋根に使われる波板の種類や材質による耐久性の違いなどを無料で公開してくれています。
Youtubeを見ながら「これは使えそうだ」と思う動画があるとすかさずメモをして、屋根の修繕に必要な道具やその使い方をチェックしました。
そして翌朝一番に例の海女小屋へ行き、内寸を測り、単管パイプはどのくらいのサイズのものを何本買わなくてはいけないのか、波板はどの材質の物が何枚くらい必要か等のスケッチを描きました。
それから自宅に戻ってインターネットでホームセンターのウェブページをチェックし、それぞれのアイテムの価格を調べ、他にも必要な道具はないだろうかと念入りにリサーチをしました。
ホームセンターにて買い出し
買い物メモをiPhoneに記録し、知人に軽トラを借りて車で20分の距離にあるホームセンターへ。売り場でクランプやラチェットレンチを手に取りながら、
「・・・私がこんなものを買う日がくるなんて、想像したことなかったわ。人生って本当、分からないものね」としみじみと思っていました(笑)
私の父はエンジニア。
これまで機械系のメンテナンスやトラブルなどは全て父にお任せしていました。なので今回、ホームセンターで父が持っていそうないかつい金属の道具類を手にしている自分に非常に違和感がありました。
が、ちょっとワクワクしている自分もいました。
いざ、修理開始!
石鏡に戻るとそのまま海女小屋に直行!
新しい波板を貼る前にまずは中途半端にはがれてボロボロの古いトタン屋根を外さなくてはいけません。
脚立に乗って破れたトタン屋根の穴からひょいと頭を外に出し、手の届く範囲のトタンをバールで叩いてみます。するとちょっとつついただけでボロボロと崩れ落ちるので、このまま叩いていたら全部粉々になって落ちるんじゃないかと思っていましたが、中々そううまく行きませんでした。
崩れるところは粉々になってくれますが、波板同士が重なっている箇所は比較的しっかりと板が残っており手やバールで叩いてもびくともしません。
中途半端に崩れた波板をうんうんと引っ張ってみますが、形の残っている波板ががっちりと柱に食らいついていて、上手く板が取れません。
傘釘(「かさくぎ」なんて初めて知りましたよ!)を全部外さないと、どの波板も取れないんです。
という訳で結局、巨大なトタン屋根の波板と傘釘を一つ一つ外していかなくては行けなくなりました。
縦横それぞれ5メートルある海女小屋の屋根。
そしてご丁寧に、波板1枚当たり15個の傘釘が打ってあります。
1日目は材料の計算や買い出しなどがあったため午後から修繕作業に入りましたが、午後5時の時点でまだ全体の1割程度しか波板を外せていません。
しかし日も落ちてきて辺りは薄暗く、これ以上の作業は危険だったので、1日目の作業はこの程度で終えるしかありませんでした。
(③に続く)