海女日記 < 新米海女リッチャン >

都会のOLが海女に転身?!海女修行&漁師町ライフをご紹介します!

ゲストハウスでトラブル!

 
 
こんにちは、リッチャンです。
 
 
 
【漁業体験のできるゲストハウス】
 
を初めてもう1年以上。
 
これまでに海外から多くのお客様に
 
お越し頂きました。
 
 
 
そんなお客様のほとんどの目的が
 
【海女】!!
 
 
 
海女という伝統的なライフスタイルや
 
素潜りで漁をする女性達に対する
 
興味関心はとても高いようで
 
ヨーロッパ、アジア、北米、
 
中南米などから
 
写真家、映画監督、フリーダイバー、
 
学者、政治家、料理研究家など
 
実に様々な方が来てくださいました。
 
 
 
 
ただいかんせん
 
私の力不足で
 
上手くコミュニケーションを
 
とれなかったお客様も
 
中にはいらっしゃいました。
 
 
 
 
1週間の長期滞在でいらっしゃった
 
フランス人のお客様。
 
気さくで話しやすい雰囲気から
 
(この方たちなら海女小屋へお連れしても大丈夫だろう)
 
と判断。
 
私たちの潜るビーチや
 
漁協の市場など
 
ご案内をしました。
 
 
 
 
ところが。
 
 
 
 
少し目を離したすきに
 
関係者以外立ち入り禁止の
 
市場の内部へ入って撮影を始めたり、
 
海女小屋でくつろぐ先輩海女を
 
顔から30センチしか
 
離れていない距離で
 
大きなカメラを向けて
 
動画を撮影し始めたり、
 
あげくに特別に許可をした
 
水中撮影では
 
仕事中の海女さんと
 
水中で衝突してしまうなど、
 
想像もしていなかったトラブルが
 
次々と発生!
 
その他にも
 
ここにはとても書けないような
 
とんでも事件を
 
あちらこちらで起こし、
 
もうこちらは連日
 
顔面蒼白・・・
 
 
 
 
「普通に考えて、ありえない」
 
というのが私の気持ちでしたが
 
相手は海外からの来訪者。
 
日本の普通が通じない事もあるのは
 
カナダにいた自分なら
 
よく分かっているはずなのに、
 
これまでのお客様がみなさん
 
理解のある方たちばかりだったので
 
完全に油断していました。
 
 
 
 
トラブルが起きるたびに
 
「今のはまずい。気を付けて」
 
と注意をしますが
 
「何故?」
 
「これがダメなんて変わってるね」
 
「大丈夫、大丈夫。気にしないから」
 (↑お願い!気にしてっ)
 
 
と全然響かない、伝わらない・・・
 
 
 
 
ああ、どうしてもっと初めから
 
注意事項や禁止事項を
 
伝えておかなかったんだろうかと
 
ものすごく後悔をしました。
 
 
 
 
海女、という世界自体が
 
世の中からある意味で隔離された
 
特殊で神秘的な閉ざされた世界
 
という前提があるから
 
その「中」にいる海女さん達は
 
危険と隣り合わせの
 
海女という仕事に集中し
 
あの独特の温かさと奔放さを
 
保っていられるのに、
 
ワタシがそれを
 
きちんと伝えていなかったばかりに
 
よく言えば「自由奔放な」
 
悪く言えば「完全に空気を読まない」
 
お客様の行動に翻弄されてしまい、
 
自分だけならともかくも
 
周りの海女さん達の生活まで
 
掻き乱してしまい、
 
この時ばかりは
 
本当にどうしていいのか分からず
 
呆然としました。
 
 
 
 
英語が少しできることで
 
実力以上の自信を持ってしまい
 
うぬぼれていたのかもしれません。
 
 
 
 
先のお客様については
 
その2か月後にまた
 
宿泊と撮影協力のご依頼を
 
頂いていたのですが、
 
お断りをさせて頂きました。
 
 
 
 
仕事とプライベートを兼ねた
 
ご旅行でいらっしゃった
 
方々だったため、
 
当然、大変なお怒りで
 
「あなたは一体何様のつもりなのか」
 
「勝手に海女を代表しているような口ぶりが気に入らない」
 
「中途半端なゲストハウスなんてやめて海女が上達することに専念した方がいいですよ」
 
と厳しいお言葉を頂きました。
 
当然ですよね。
 
私の曖昧な対応が招いた事、
 
深く反省しています。
 
 
 
 
ただ正直、
 
【面倒なお客様】
 
という物を知らずに
 
ここまで来たので、
 
トラブル三昧だったあの1週間は
 
高い勉強代を払う事にはなりましたが
 
すごく勉強になりました。
 
 
 
そのあとすぐに作った
 
見学のルールやガイドライン
 
お客様への事前の説明事項は
 
少々厳しめの内容ではありますが
 
本当にお迎えするのに最適な方を
 
厳選するのに役立っています。
 
 
 
また「以前こんなトラブルがあった」
 
とお客様に説明できるように
 
なったことで
 
より具体的に、より明確に、
 
「なぜそれをしてはいけないのか」
 
「石鏡の人たちは何を大切にしているのか」
 
という事が
 
伝えられるようになりました。
 
 
 
 
ゲストハウス側で
 
お泊り頂くお客様を選ぶなんて
 
先のフランス人のお客様が仰るように
 
「一体あなた何様のつもり?」
 
なこの対応、
 
自分でも「確かに。」
 
と思いました。
 
 
 
 
でも新参者の海女でありながら
 
コミュニティーと外からの来訪者の
 
つなぎ役になるこのポジション。
 
私の優先順位はいつだって
 
石鏡(海女) > ゲストハウスのお客様
 
です。
 
 
 
 
お客様の
 
見たい、知りたいという希望以上に
 
自分の所属するコミュニティー
 
守る使命があると思っています。
 
「守る」というと仰々しいですが、
 
「迷惑を掛けない」という
 
保守的な意味でのガーディアン。
 
そのバランスが
 
万が一にでも崩れるようなら、
 
私は自分が悪者になってでも
 
外からの人々を切る必要が
 
あると思っています。
 
 
 
 
もし私がつないだご縁によって
 
石鏡の人々の生活に
 
不利益が生じるようなら、
 
責任を持って私が片を付けます。
 
 
 
 
だから、
 
本当はもっと気楽に
 
ゆるゆると、ニコニコと、
 
色んな人に「海女見に来て~♪」と
 
言いたいのですが、
 
そうもいかず
 
常に緊張して
 
ハラハラ、ドキドキしています。
 
 
 
 
 
だから本当、
 
良い人だけ泊りに来て欲しい!!!
 
切実な願いです。
 
じゃないと死んじゃう・・・ッ!!
 
メンタル本当弱いんで
 
死んじゃいます!
 
 
 
 
楽しいだけじゃない
 
ゲストハウスのお仕事。
 
良いお客様に当たる事を
 
今日も祈って・・・
 
 
 
 
本当よろしくお願いします!