海女日記 < 新米海女リッチャン >

都会のOLが海女に転身?!海女修行&漁師町ライフをご紹介します!

海女に向いている人

 
こんにちは、リッチャンです。
 
 
最近きっかけがあって
考える事があったのが、
 
『海女に向いている人』
『海女に向いていない人』
 
の違いについて。
 
 海女になりたい!と思っている人にとっては
結構シビアに気になるトピックではないでしょうか。
 
 
向き不向きって
何に対してもあると思うのです。
生まれ持った個性の1つ、
だと思っています。
 
 
 
そんな向き不向きについて
考えてみた時に、
私・リッチャンは完全に
【海女・不向き】
のカテゴリーに入ります!
 
 
ガーン・・・!とは、なりません★
理由があるからです。
 
 
ちなみに
私が経験上、
周りの海女や漁師さんから
言われた事や
自分自身で感じる
海女の向き不向きと言う物の基準は
大体このような感じです。
 
 

【海女に向いている人】

・海や生き物が好き
・泳いだり潜ったりする事が好きで得意
・体力がある
・海や漁業に関する知識や経験がある
・漁村で暮らした事がある
・人当たりが良い
・根が明るく社交的
・頭の回転が早く物覚えが良い
・素直
臨機応変でなんでも器用にこなす
・気が長いがのんびり屋ではない
 
 

【海女に向いていない人】

・海の事をあまり良く知らない
・泳いだり潜ったりする事が下手
・体力がなくすぐバテる
・漁業権や漁業の仕組みを勉強しない
・「郷に入っては郷に従え」が出来ない
・すぐにテンパる
・人の忠告を素直に聞けない
・根暗でシャイ
・一度聞いただけでは覚えられない
・不器用、1つのことしか出来ない
・短気もしくはのんびり屋
 
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詳しく述べてみます。
 
 
 
まずは海に関する事。

「好きこそ物の上手なれ」

と言う言葉の通り、
好きと言う気持ちは
何物にも勝るエネルギー源です。
好きだからどんな事でも頑張れる
上手くいかなくても
嫌な事があっても挫けない。
だって海が好きだから!
この気持ちが強ければ強いほど
海女に向いています。
 
でも、好きと言う気持ちだけで 
海や漁業の事を知ろうとしないのは
言っては悪いですが
ストーカーみたいなもの。
 
海女への憧れ、勝手なイメージ
だけで突っ走っては
実際に海女になることは
難しいと思います。
 
 
相手(海や漁業者、地域)と
一生一緒に居たいのなら
本気で相手の事を考えていないと 
ただの強烈な片思いで
終わってしまいます。
 
 
 
海女はどんな仕事なのか?
1日、1年のサイクルは?
収入はどれくらい?食べていける?
今、日本の海や漁業を
取り巻く環境はどうなっているの?
海女になった人たちは
どうやって海女になったんだろうか?
 
 
そう言ったことも自力で調べつつ
積極的に話を聞きに言ったり
足を運んでみたりと
口だけでなく行動に移す事が
大切です。
 
 
そして海女はオンナの世界。
ハーモニー(和)を大切にします。
 
 
出会い頭の明るい挨拶や
日常のさりげない気遣い、心遣い。
先輩海女さん達に可愛がられる
「愛嬌」や「人となりの良さ」が
とても大切です。
 
「あの子がいると楽しいわ」
「頑張っているからつい応援してあげたくなる」
そう言って貰える人は
海女だけでなく
漁師や地域の人みんなから
応援され、祝福され、
認められていきます。
 
しかし媚びを売ってはいけません。
女性は総じてそのような事に敏感です。
すぐにバレます!(笑)
 
バレた後は、怖ーいですよ。
 
 
そして頭の良さも大切です。
高学歴なんて物は
田舎では何の役にも立ちません。
でも、
少しの指示で
すぐに相手の意図を察して動けたり
何も言わなくても
次の行動が出来たり・・・
 
 
そういう所を
海女や漁師は見ています!
 
 
 
それは海という、
人間なんて『一瞬』で殺されてしまう
世界で皆生きているので、
「いちいち説明なんかしてられない、察しろ!自分で考えろ!」
と言う文化が漁業にはあるからです。
海の上ではスピード、時間が勝負。
一瞬の気の緩み
ささいなミスが命取りです。
 
本当に死ぬからです。
 
トラブルが起きても
冷静に、スピーディーに対処する。
 
冷たい言い方ですが、
これが出来ない人に漁業は無理です。
 
 
海の上や海女小屋でのんびりと
おしゃべりをして
ケラケラ笑っている時もあります。
 
そういう時「も」あります。
 
 
でも勝負をかける瞬間があります。
漁師も、海女も。
 
海女の場合は
ウェットスーツを着始める時、
ビーチに立ち脳内で今日の漁の流れを
シミュレーションして
磯場へのルートを考えている時、
アワビを見つけて獲りに潜る時・・・
 
 
こういう時は、空気が変わります。
 
 
 
それにも気付かず、「ねぇねぇ~」と
相変わらずおしゃべりの
続きをしようとする
おバカさんがいたら
 
「こいつ、分かってないな!」
 
と本気で相手を怒らせます。
高まった集中力が
一瞬で消えてしまうからです。
 
 
 
この時の相手の目つきや表情
相手の視線の先に何があるか、
そんな物をさりげなく
でも確実に見て、察して、
適切な対応が出来るかどうかで
 
「こいつ、出来るな」
「なかなか勘のいい子だな」
 
と思って貰えるかが決まります。
 
 
 
勘の鈍い人を教えるのは
とても難しいです。
 
いちいち1から10まで
教えなくてはいけないし、
教えてもちゃんと分かっていなくて
また同じ間違いをしたり
ヘラヘラ笑って言い訳をしたり、
教える側の体力を
少しずつ削いでいきます。
 
 
 
また、素直さと気の長さ
意外に重要です!
 
先程スピードが大切と言いましたが、
それは行動や判断のスピードを
指して言いました。
 
ここで言う気の長さとは
【すぐに答えを求めないこと】
を言います。
 
 
 
先輩の言う事や
教わった事に対し
いちいち質問したり
自分の意見を言うことは
相手からすると
ちょっと面倒臭い人、
可愛げのない人です。
 
 
 
まずは「はい、分かりました」と
素直に聞き入れ実行して下さい。
 
そして、やりながら
「あぁ、こう言う事だったのか」
と自分で気が付き理解したり、
「やっぱりどうも納得いかないな」
と思えば
言われた通りに1年やってみたけれど、こういう風にしてみたらもっと良い気がするが、どう思いますか?」
とお伺いを立ててみる。
 
 
 
ポイントは、
言われた通りにやる。
それも十分な期間。
という事!
 
 
海女や漁師の仕事は
長年の慣習でやっていて
今ではあまり効果のなさそうな
やり方やルールなどが
あるかもしれません。
 
でも中には当然
何十年、何百年の歴史の中
数多くのトライ・アンド・エラーを経て
編み出された
唯一無二の、正真正銘ベストなやり方
が受け継がれています。
 
 
それをぽっと出の新米が
あまり深く考えずに批判したり
改善を提案するものではありません。
 
 
 
考えるな、疑うな
と言うことではなく、
「まずはその通りやってみなさい」
という事です。
 
時間をかけ、タイミングを考え、
そしてコミュニティー
暗黙のルール、地域性、人、
彼らを取り巻く環境を
きちんと理解してから
もう一度考えてみる。
 
生意気で面倒臭い人にならないように
気を付けたいものです。
 
 
 
焦らず、でも立ち止まらず、
肩の力を抜いて、楽しく、
まじめに真剣に、
辛抱強く、
静かな情熱を燃やし続けながら、
向き合っていける人。
 
こういう人は
「死ぬまで現役」と言われる
海女のような職業においては
時間が経つ毎にその価値は高まり
いずれは地域を代表するような
海女になれると思います。
 
 
と、己の思うままに書きましたが、
私はほとんど当てはまりません!
悲しいくらい!!(笑)
 
だから言ったでしょう?
わたし向いてないんですよー(笑)
 
 
でも、向いてないからと言って
海女になれないわけでは
ありません。
 
たくさん夫や先輩たちに
心配や迷惑をかけていますが、
見捨てないでいてくれます。
 
ありがたいです本当に。
 
 
 
出来ない事、苦手な事は
努力してカバーしていくしか
ありません。
 
そして大切なのは
【努力しているのが見える事】
だと個人的には思っています。
 
 
 
こっそり筋トレ、
こっそり勉強、
結構だと思います。
 
でも、それが先輩海女や
地域の人たちから見えないと
「あいつ、海女なる気あるのか?」
と思われてしまいます。
 
 
無駄な頑張ってますアピールって
鬱陶しいですよね(笑)
 
でも、こと漁業や海女に関しては
きちんと「見える化」する事って
大事だと思うんです。
 
 
 
『誠意』って見えないじゃないですか。
『本気』も見えない。
 
言葉でいくら「頑張ります!」
って言っても
行動が伴ってないと
信じてもらえません。
  
しかし初めて尽くしの移住生活の中で
すぐに結果を出すのは難しい。
 
なのでここはうざいの覚悟で
「わたし今、こういう事やってます!」
って見せて下さい。
地域の人みんなに。
 
 
じゃないと
何をどう応援して良いのか、
その人がどのレベルまで達したのか、
あと何が足りていないのかが
分からないんです。
 
 
1人で頑張っちゃいけないんですよ。
 
 
向き不向きもありますが、
海女ってチームワークなんです。
みんなで支え合うから
その人にもいつか私たちを支える
一本の柱になってもらいたいんです。
 
だから
足りない所は補完し合うし、
あまりに酷ければ
怒ってでも成長させるし、
秀でている所があれば
頼りにする。
 
 
「海女に向いている」完璧な人
になる必要はありません。
 
けれども、
自分の弱点をまず知って
そこを放って置かずに伸ばし
仲間に迷惑をかけないようにして、
それから自分の得意な事で
どんどん仲間や地域に貢献していく。
 
 
 
そういう事を考えて
出来る人というのが、
「海女になれる人」
なのだと思います。