こんにちは、新米海女のリッチャンです。
カマドを移籍してから今日まで、新しいカマドのメンバーにも、近くの他のカマドのメンバーにも本当に良くしてもらっています。
(※現在所属している「カマド=海女小屋」は複数のカマドが1ヶ所に固まっている長屋みたいな場所なのです)
しなしながら、普通はあり得ない、カマドの移籍。
非常識な事をしている上に、漁師の仕事があるためあまり頻繁に海女に来れず、以前所属していたカマドのメンバーと相変わらず仲が良かったり、と中途半端な状態を続けていたという事もあり、私の置かれている状況は客観的に見てもあまり良くありませんでした。
自分でも(今回の件で私を良く思わない海女さんが出てきてしまうだろうな)と思っていましたが、やはり、別のカマドの海女さんの反応の中には、私の移籍を好ましく思っていない海女さんもいるように感じました。
移籍後初めて海女小屋を利用させて頂く際にご挨拶に伺ったカマドの中には、私の方を見ようともしなかった海女さんがお一人、「頑張れよー」と言いながら表情の硬い方が数名、いらっしゃったので、「これはなかなか厳しそうだな」と思いました。
その後、あからさまな意地悪をしたり直接嫌味を言われるようなことはありませんでしたが、挨拶をしても無視されたり、私の話をしているであろう現場に出くわした時の気まずそうな空気など味わうと、覚悟していた事とは言え、やっぱり、結構傷付きました。
そんな折、ふとした機会にとある海女さんとそのご主人が一緒にいる場面に出くわしました。この方は移籍した当初から私と口をきいてくれませんでした。
ご主人はとても明るく気さくな方なので、会うとちょっと話をするような仲です。
奥様はご主人の手前、私ともその場では話をしてくれました。
その時にご主人が趣味で作られているという貝殻のアクセサリーを見せて頂き、とても良い出来だったのを「器用やね~!すごいわー!これは売れるよー!!」と褒めていると、意外な事に、ご本人よりもその奥様の方が嬉しそうなのです。
普段は私と目も合わせてくれない方だっただけに、ニコニコと話をしてくれる姿にちょっとびっくりしました(◎_◎;)
そしてその日をきっかけに、その海女さんの態度が180度変わったんです。
会えば「リッチャーン!今日は海女さん行くのか?頑張れよ~」と声をかけてくれるようになり、磯場の事も教えてくれるように・・・!!
突然の変化に、最初は何が何やら分からずプチパニックでしたが、どうやら彼女の場合、旦那様が『カギ』だったようです。
もちろん、彼女に好印象を持ってもらいたくてご主人の事を褒めた訳ではないのですが、結果としてずっと仲良くなれなかった海女さんと打ち解けることが出来、人間関係と言うか、コミュニケーションの妙を感じました。
移住って本当に、人間関係の問題が一番ネックな気がします。
既存のコミュニティーにどう入っていくのか、余所者嫌いの方にどう接していけばいいのかなんて事が大変だったりするのですが、今回の件はとてもイイ勉強になりました。
ほんの些細なきっかけで状況は変わるんだなぁ。
と知りました。
田舎暮らしって、人と人との距離が近すぎて、時々煩わしいと感じる事があります。
でもみんながみんなどこかで繋がっているから、ある所で出来た良い人間関係や愛情のやりとりが、そのコミュニティーの濃くて近いネットワークを通じて、全然違う所で影響を及ぼしているのって、なんだか面白いなって感じます。
まだ仲良くなれていない海女さんもいますが、身近な人を大切にしていったら、いつか、仲良くなれる日がくるのかな?