こんにちは、新米海女のリッチャンです。
だいぶ水温も下がってきましたが、今日も石鏡(いじか)は海女漁がありました!
寒くて寒くて、凍えるほどの冷たさですが、ナマコ欲しさにはりきってお仕事しています。
そんな今日は、「満ち潮」×「波」×「曇り空」というなかなか漁がしづらい日でした。
あまり潜った事のない沖の漁場ということもあり、どこを潜ったらいいのか良く分かりません。先輩海女さんたちは各々の好きなポイントがあるのですが、私は漁場が分からないので(誰についていこうかな~)と船の上でキョロキョロと辺りを見渡していました。
するとそれを見たある年配の海女さんが口パクで「(ナオミさん、ナオミさんについていけ)」と教えてくれます。
ナオミさんは【深いとこ潜り】と言われる、水深の深い磯場を得意とする上級海女さんです。ちょっと私がついていくにはレベルが高すぎるのではと思いましたが、先輩に行けと言われた以上、ノーとも言えず・・・
ナオミさんが飛び込むのに合わせて私も船から飛び降りました。
が、案の定、彼女の磯場近くは水深が10メートル以上あり、しかも今日は濁っていて海底が見えず、さらに曇り空のせいで海中もどんよりと暗く、何も見えません。
かろうじて岩陰らしきものが周りと比べすこーし黒っぽくなっているのが見えるので、そこを目指して潜ります。
でも潮が速くてどんどん流され、気付けばナオミさんから遠く離れた場所まで流されていました。
海女をしていると、「怖い」と思うことがあります。
私の場合は特に、海の中の状況が分からないと空恐ろしい気持ちになります。
山手(陸地の景観を目印にして線を結び海で自分の現在地を測る技術)ができる海女さんなら、山手を見ながら自分の足の下にどんな漁場があるのかシミュレーションできるのですが、私はまだ山手が少ないので海の中が目で確認できないと怖いのです。
今日はそんな風に「怖い怖い」と思いながらの漁だったのと、風邪のひきかけなのか鼻がつってしまったせいで(過去ブログ:【副鼻腔スクイーズ - 海女日記】)ナマコもサザエも全然見つけられず、朝の1本目の漁ではナマコ1個とサザエ1個という、船賃にもならない散々な結果に!
なんだか海も気味が悪いし、周りに知っている海女さんが一人もいないし、寒くて凍えているし、体調も悪いし、今日はもうこれダメだなぁと思い2本目の漁は行きませんでした。
売る物(=漁協に水揚げする物)もないのでこの日の漁は赤字です。
先輩たちが2本目の漁に行っている間、1人自宅に帰り、ぐっと1時間ほど寝ました。
起きてから浜へ行くとお師匠のターコバアが居たので一緒に漁師の編立小屋でコーヒーを飲んでいるとサチバアもどこからか現れてきました。
ここ数日は大漁続きだったのに今日の漁は散々だったという話をすると「な、リッチャン。いつも婆が言うやろ?漁ごとと言うのは ”おふさいもの” 、全て神宮さん(=海の神様)の御心次第なんやで」とサチバアに諭されました。
「ほやな、ばあちゃん。最近調子が良かったから天狗になっていたんを『あまり調子に乗るなよ』と神宮さんに注意されたんかもな」
「高々になっていた鼻を神宮さんにポッキリ折られた言う事やな!謙虚にせないかんなぁ。鼻を折られて、鼻をつられて(※)、神宮さんにだいぶ嫌われてしまったみたいやなぁ~(笑)」
と言うとサチバアもターコバアも「そういう事かもなぁ」とケラケラ笑っていました。
調子に乗って神宮さんに怒られてしまいましたので、健康管理をばっちりにして、謙虚な気持ちで次の海女漁に臨みたいと思います!!
<余談マンガ ー神宮さんと私>
「 海の神様はこわーいのヨ☆」