海女日記 < 新米海女リッチャン >

都会のOLが海女に転身?漁師町ライフブログ

2020年海女5年目、ついに「夏磯」口開け!?|久々の海女ブログ

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Photo by 新井良規


 

 

こんにちは、新米海女のリッチャンです。

 

新型コロナウイルス感染拡大を受けてガラリと変わってしまった日常。

本当、全く予想していませんでした。

ビル・ゲイツは予測していたそうですが、いや、さすがです(汗)

 

はじめは「なんだか大変なことになったね~」なんてのんきに構えていた石鏡(いじか)の海女の暮らしも随分と変わりました。

 

 

 

変わったこと

 

まず、漁に全然行けていません。

「行けていない」と言うと語弊がありますね。

「公式には潜れていない」と言った方が正しいでしょう。

 

石鏡の磯、つまり自分たちの住んでいる町の管轄する漁場では4月以降潜れていません。

3月のワカメ漁を最後に、海女として石鏡の海で潜れていないんです。

 

4月に「夏磯(なついそ)」、つまり夏の海女シーズンが始まるのが通常ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅館にホテルなどの宿泊施設、そして料亭などの飲食店が軒並み営業自粛や休業に入り、魚介類の流通がストップした事で「獲っても売れない」という状況になり、我々漁業者、特にアワビなど一般家庭では消費されない高級食材を取り扱う私たち海女は、アワビを獲っても買う人がいないため、「二束三文で売るくらいなら」と海女漁自体をストップさせた次第です。

 

鳥羽市よりも先に2020年のアワビ漁をスタートさせていた志摩市では、アワビの値段が例年の4分の1以下にまで落ち込み早々にアワビ漁をストップさせたという噂を聞き、私たち鳥羽市の海女もアワビの値段が下がるだろうことは予想していましたが、「そんなに安いのか…!」と心底驚きました。

 

変わらなかったこと

 

 幸いにも石鏡は町民総出で行う「ヒジキ漁」があったり、隣村との境界域にある海「入会地(にゅうかいち)」で潜る事が出来るため、ヒジキ漁が終わってしまって以降、石鏡の海女さん達は入会地でテングサ(ところてんの材料になる海藻)を採ったり、サザエを獲ったりして暮らしています。

 

石鏡の海で潜れなくなり、さぞかし海女達はがっかりするだろうと思っていたのですが、意外にもみな切り替えが早く、初夏の陽光とすがすがしい空気の中、黒いウェットスーツ姿の海女が海から戻ってきて袋いっぱいの海藻やサザエを運んでいる姿を見れるのはやっぱり嬉しいものです。

 

2020年の夏磯はやれるのか?

 

三重県では鈴木英敬知事のもと、「鎖国」にも似た強めの「来県拒否」キャンペーンを行いました。これには賛否両論ありましたが、「命が第一」という知事の考えには私も共感しました。三重県では困窮する事業者をサポートするために補助金や給付金も早くから実施しており、そのお陰で私のような小さな事業者は本当に助かっています。

 

緊急事態宣言が解除され、徐々に経済活動が再開されようとしている中、アワビ漁をスタートさせる地域も出てきました。

先日「口開け(漁の解禁)」が行われた、石鏡のお隣・相差(おうさつ)町では、アワビの値段がキロ8000円以上したとの事でした。これはここ数年で言えば例年通りの価格で、いよいよ高級食材アワビもその本来の値段で取引されるようになったのだとホッとしました。

 

私の暮らす石鏡町では、6月7日(日)に口開けを予定しています。

相差のアワビの値段次第ではまた延期もあり得るかと心配していましたが、この値段なら石鏡の海女たちも安心してアワビを獲って売れるでしょう。

天気がよく波や風がなければ、いよいよ2か月ぶりに海女漁が再開します。

私は入会地での漁はほとんど行かない派なので、海に入るのも1か月ぶりになりますが、今からとても楽しみです。

 

心配なこと

 

ここからは個人的な話なのですが、実は私、またも小屋を移籍しまして(笑)、今度はなんと『My 海女小屋』 デビューすることになります。

 

詳しいいきさつはこちらのブログを見て頂くとして、お師匠や同期の若手海女と3年間一緒に潜っていた海女小屋を昨年離れ、別の海女小屋(船で沖へ行くチーム)に入れてもらい、そして1年足らずで今度は全く磯場(いそば)の分からない初めての場所で海女として再々スタートを切ります。

 

思えば本当に、あっちへ行きこっちへ行き、傍から見たら本当に落ち着きのない人間に見えるだろうなぁと思います。

 

しかし本人としてはすごく満足しています。

 

これだけ色々な経験を積めるという事はなかなかできない経験ですし、特にカマド(=海女小屋)を変わるという選択自体、石鏡の海女は絶対にしないことなので、それによりどんなメリット・デメリットがあるのか身をもって知る事ができたというのは、いずれ後輩が出来た時によい経験談として共有する事ができるかもしれません。

 

移住者、新米海女、だからできる「怖いもの知らずなチャレンジ」をできる今だからこそやれることなんじゃないかと思います。10年後だったらきっと、固定観念が今より付いてしまって動きづらくなると思うと、今、やれてよかったと思います。

 

ただ、磯場が分からないので今年最初の海女漁の漁獲高は期待できません。

もしかしたら何日も収入ゼロになるかも・・・新しい場所で始めるワクワクと同じくらい、不安な気持ちもあるのが正直な所です。

 

楽しみなこと

 

「色々な磯場を経験したい」という目標の通り、今回初めての磯場での海女漁を経験できることに、心の底からワクワクしています。

新社会人として会社のオフィスに足を踏み入れたあの頃と同じような、どうしようもないソワソワした気持ちになっています。こうしてブログを書いている今も、心臓が少し早めに鼓動しているのを感じるくらいです。

 

未経験から海女を始めた頃は、海女に行くのが怖くてたまりませんでした。海が怖くて不安でいっぱいで、同期の海女さん達との圧倒的な実力差に落ち込んだり、なんだかもう本当にかわいそうでした(笑)

 

でも今は海も怖くないし、かと言って甘く見てもいません。ただほんのりとした自信と、海女として潜り、獲る楽しみを知ってしまったので、「あぁ~早く潜りたいなぁ」と素直に思います。

 

そして「新しい磯場は一体どんな感じなのだろうか」とか「アワビいるかな~獲れるかな~」とか「潮の効き具合はどんなだろうか」とか、色々と気になって楽しくて、今までで初めてじゃないかと思うくらい、ドキドキワクワクしています。

 

まとめ

 

こんなに海女が始まるのが待ちきれないと思うのは、今までにない経験です。

 

新型コロナウイルスの影響で大きく変わった日常と、そのおかげで感じるようになった田舎暮らしの豊かさや贅沢さ、そして海女に行ける喜び。

 

不思議な事ですが、色々な事が私にとっては非常にポジティブに運んでいます。

しばらく書けていなかった「海女ブログ」ですが、またこれから色んなことをシェアしていこうと思いますので、よかったら覗いてみて下さいね。