ずいぶん経ってしまっていますが、
今日は石鏡(いじか)の
大晦日
について書こうと思います

12月31日、
毎年恒例となった
お世話になってる漁師の親方宅での
大晦日ディナーに
今年も呼ばれてきました

入院中の夫は
残念ながら今年は参加できず

私一人で伺う事に。
午後4時。
親方のお宅(=サチバアのお宅)へ
お邪魔すると、
居間でコタツに入りながら
テレビを見ていた親方が
「おう、来たか!」と。
お台所ではサチバアが
料理の準備で忙しそうにしていました。
石鏡の大晦日には
7種類の品々が入った
煮物が欠かせません。
あぁ、名前聞いたのに忘れちゃった

品々というのは、
大根、人参、里芋、
ゴボウ、豆腐、レンコン、
そして赤魚(あかいよ) = カサゴ
の全部で7種類。
この7種類の品々を
醤油ベースの汁で煮たものを
一皿に盛って出します。
どの家でもこの7品は同じ。
野菜はともかく
カサゴはいつでも手に入る
物ではないので、
12月後半になると親方は
網にかかったカサゴを
大晦日用にと
いくつか冷凍保存しておくそうです



近隣の町でも
この煮物を出すらしいのですが、
町によっては
カサゴが別の魚になったりと
地域ごとの違いもあるそうです。
「大晦日と言えば年越しそば」
と言うくらいしか
私の実家では食べ物の縛りは無かったので、
この『7品の煮物』の文化は
最初、とても新鮮でした。
煮物以外にも
マグロのお刺身や
茹でたズワイガニ、
ナマコのなますなど
他にもご馳走がいっぱい

親方はあまりお酒を飲まれる方では
ありませんが、
こんな時は
ビールを少し一緒に飲んで下さいます

私はお酒はそんなに強くないですが、
飲むのが元々好きなので(笑)
ここぞとばかりに
遠慮なく頂きます



食事が済むと今度は
豆撒き
をします。
豆撒きは普通
2月の節分に行うと思うのですが、
石鏡では大晦日に行うんです。
しかもね、ガチのやつ

決められた手順と恰好で
家主の男が豆を炒る所から始まり、
何から何まで本格的。
豆を投げる時などはもう、
腹から声を出して
「ぅ鬼はーーッ!外オォーーウ
」と

全力で豆を投げつけます

初めて見た時、
いつも穏やか
な親方の

あまりの気合いと豹変ぶりに
「何事
」と

本気で驚き&ビビりました・・・

もちろん、「福は内」も
全力です!
家の廊下が豆だらけ・・・
最近は石鏡も人が減り
豆撒きをする家も少なくなったと
親方は言っていました。
余所にはない素敵な習慣、
このまま無くならずに
続いていくといいのになぁ〜。